椙山女学園大学 食育推進センター

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2021-07-09

第43回椙山フォーラム「地中海食とオリーブオイル」を行いました

 6月16日(水)から6月30日(水)にかけて、食育推進センター主催の第43回椙山フォーラム「地中海食とオリーブオイル」をオンデマンド映像配信によるオンライン講演会として開催しました。
 はじめに、香川県農業試験場小豆オリーブ研究所の主席研究員である柴田英明氏が「意外に知らない!オリーブオイル」をテーマに講演。オリーブの品種や歴史、オリーブオイルの採油方法、種類について触れた後、オリーブオイルは気象条件や果実の成熟度、品種や採油方法によって全て味や香りが違うため、化学検査とあわせて官能評価(テイスティング)による品質基準が必要であり、機械ではなく、訓練されたテイスター(評価者)が行っている官能評価の流れについても解説が続きました。また、オリーブオイルを選ぶ際のポイントについて、賞味期限が新しく、使用量に合わせた瓶を選ぶことに加え、「フルーティ・苦み・辛味のバランスを感じながら、色々試してほしい」と視聴者に呼びかけました。
 次に、東京大学・お茶の水女子大学の名誉教授である脊山洋右氏は、「オリーブオイル~長寿の秘密~」と題し、地中海食が健康によいと注目されるきっかけになったアンセル・キーズ博士の「7か国研究」について取り上げました。これは、バターを使い牛肉を常食とする北欧やアメリカより、オリーブオイルを使い魚介や緑黄色野菜を食する地中海沿岸地方のほうが、冠状動脈疾患による死亡率が低くなった結果から、地中海食が長寿に役立ち、バターに多く含まれる飽和脂肪酸を大量に摂取する国では冠状動脈疾患が多いと結論づけた内容について解説。その後、数十年に渡って行われたさまざまな研究により、重要なのは総脂肪酸摂取量ではなく、脂質の種類だとし、バランスの取れた油を取ることは体によいことが分かってきており、地中海沿岸地方は、アメリカに比べて医療環境が整っていないにも関わらず長寿であることは事実とし、「天然の強力な抗酸化物質を豊富に含む極めて優れた油脂であるオリーブオイルが、さまざまな健康効果をもたらしている」と、地中海食にかかせないオリーブオイルが健康に与える影響について説明しました。
 最後に、本学生活科学部准教授の河合潤子氏は「地中海食の楽しみ方」として、地中海食について「野菜が多く、魚介類を中心とし、脂肪分はオリーブオイルなどの良質なものをとり、ナチュラルチーズやヨーグルトを食べること」を主な特徴とした上で、それぞれの具体的な食事量を「地中海食ピラミッド」を用いて解説。また、手軽で日本人に馴染みのある地中海食の代表的な料理についてもレシピとともに紹介しました。さらに、地中海食ピラミッドに伝統的な和食の食材(ま・ご・わ・や・さ・し・い:豆、ごま、わかめ、野菜、魚、しいたけ、いも)を取り入れた「地中海式和食」や、普段の和食にオリーブオイルやハーブなどを加えたフレーバーオイルを一振りして味の変化を楽しんでみるなど、地中海食を日々の食生活に手軽に取り入れることを推奨しました。
視聴者からは「オリーブオイルを和食に取り入れてみたい」「自分の好みにあうオリーブオイルで地中海食を作りたい」などの声が寄せられ、健康長寿へのヒントとともに新たな食生活を楽しむきっかけとなったようです。
柴田先生1.jpg 脊山先生1.jpg  河合先生2.jpg

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