2012-06-20
6月16日(土)、椙山女学園食育推進センターでは、第25回椙山フォーラム「がん予防は子どものときの食生活から」を開催し、225名の方々にご参加いただきました。
フォーラムでは、導入として、総合司会の中島正夫 本学食育推進センター主任が、政府による「がん対策基本法」や国立がん研究センターによる「がんの予防法」を取り上げて、子どものときからのがん予防を取り巻く現状について解説を行いました。
続いて、がん予防や食の研究に携わる3氏の専門家から講演をいただきました。
若林敬二 静岡県立大学教授は、がん予防研究の専門家の立場から、食事中のがん予防要因について説明され、塩分の摂取が多いと胃がんになりやすく、脂肪分の摂取が多いと乳がんになりやすいと説かれました。若林氏は、正常な細胞ががん細胞に至る時間は、10年から30年ほどかかり、ライフスタイルの改善と早期発見という2段階の予防を行うことが必要と説明されました。また、近年、がんができやすい方に対して、薬剤を使って予防する取り組みが行われていることを紹介されました。
田島和雄 愛知県がんセンター所長は、がんの疫学・予防医学研究の専門家の立場から、がん細胞の腫瘤形成と増殖に関連した環境および遺伝子による要因について解説されました。田島氏は、「運動習慣はほとんどの部位のがんの危険度を低減し、逆に喫煙習慣はがんの危険度を高める」、また、「減塩とともにバランスを考えた伝統的日本食はがん予防食となる」と述べられ、さらに、ストレス対策のために趣味を見つける大切さを強調されました。
宗像伸子 東京家政学院大学客員教授は、管理栄養士の立場から、「食事力」の定義や子どもの「食事力」は親が実践することを示唆されるとともに、健康は生活習慣によって維持・増進すると説かれました。さらに具体的な食品例をあげ、1日に何をどれだけ食べればよいかを分かりやすく紹介されました。
その後の総合討論では、会場との質疑応答が行われ、盛況のうちにフォーラムは終了しました。
今後も、食育推進センターでは、引き続き食育をテーマとした講演会等を行う予定ですので、皆さま是非ご参加ください。
なお、今回の講演会は、社団法人全国栄養士養成施設協会様からのご共催、東海農政局、愛知県、愛知県教育委員会、名古屋市、名古屋市教育委員会、公益社団法人愛知県栄養士会の各団体様からのご後援、味の素株式会社、大塚製薬株式会社、カゴメ株式会社、名古屋ヤクルト販売株式会社の各社様からのご協賛をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。